関西の有名私立中学校・高等学校特集
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関西の有名私立中学校・高等学校入試を考える
〜次代で活躍する子どもたちの力を養う私立学校選びを!〜
時代の変化に柔軟に対応できる人材を育む教育で人気の私立学校。
子どもたちが伸び伸びと学校生活を送り、人間力を磨ける学校を選びたいものです。
30年に渡る生徒指導歴を持つ中島みちるさんに、学校教育の近況や家庭での勉強のポイントなどを聞きました。
●教育アドバイザー
中島みちるさん
大手進学塾で校長などの管理職、中学入試部門の統括などを歴任。現在、林成之式育脳メソッドを実践・普及しながら、子育ての様々なイベントを企画運営。
激変する社会に対応し、学校教育が変わります
日本はかつてない少子高齢化社会に突入し、将来には多くの社会問題が待ち受けています。子どもたちが厳しい社会を生き抜く力を育むために、学習指導要領が改訂されています。令和2年には小学校、3年には中学校で全面実施、高校では令和4年度の入学生から年次進行で実施されています。新学習指導要領は「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」という3つの柱から構成され、新しい時代に必要とされる「資質・能力」を育てることを目指しています。
令和3年からは大学入試制度も大きく変わりました。約30年続いた大学入試センター試験が廃止され、より「思考力・判断力」が必要な大学入学共通テストが始まりました。AO入試は「総合型選抜」と名称が変わり、学力検査が課されるようになっています。令和7年実施の共通テストからは出題科目や内容も変わります。大学への進学実績で中学や高校を選びがちですが、偏差値の高い学校に入学したら大学入試に有利だという時代ではありません。変化の著しい入試に柔軟に対応し、丁寧に生徒を指導してくれる学校選びが重要です。
私学の場合、「建学の精神」に基づき、特色ある個性豊かな教育を行っています。中・高一貫校では、高校受験がないのでクラブや習い事との両立も可能です。魅力ある特徴的なプログラムを持つ私立だけに、子どもに合うかどうかを確かめることが大切です。ぜひオープンキャンパスに行ってください。学んだ知識をベースに、自分の頭で考える力を丁寧に育むことのできる学校を選びましょう。
やる気のある子を育てるのは家庭の力
受験生だからと特別扱いし、勉強以外のことは親が面倒をみているようでは、受験に必要な自己管理能力は育ちません。いつまでに何をすればいいのかを自分で考え行動する力は、「朝は自分で起きる」「家族に迷惑をかけるから先にお風呂に入ろう」「明日の予定を把握し今日のうちに準備をしておこう」といったあたりまえの生活習慣の中で身につくものです。自己管理能力のある子は、テストを前にしても優先順位をつけて効率よく解くことができます。受験生だからこそ、家族の一員としてやるべきことはきちんとさせることで、本番のテストでも力を発揮することができます。
ホルモンバランスが崩れる思春期は、感情の起伏が激しくなる時期です。不安や怒りを感じたときにすぐにキレるのではなく、まわりの状況をよく見て考え自分がとるべき行動を判断する力は、「早寝早起き朝ごはん」の生活習慣の中で育まれます。受験生は夜型になりがちですが、記憶力や免疫力を高めるためにも十分な睡眠は欠かせません。日々の体調管理は家族で意識しましょう。
やる気の原動力はワクワク感です。「あの学校で学びたい」「進学したらやりたいことがある」「楽しみだ」など夢や憧れを持ち「なりたい姿」を明確に描けるようになると、何をどう頑張ればいいのか、具体的に考えるようになります。学校見学に行くと、「おもしろそう」とワクワク感が高まりやすいです。反対に、「このままでは受からないよ」「なぜできないの?」と欠点ばかりを指摘されると、ワクワク感はどんどんしぼんでいきます。子どもができていることにフォーカスし、「毎日頑張ってるね」「ありがとう、助かるわ」と声をかけ続けることで、子ども自身が自分の強みに気づき自信を持って受験に臨めるようになります。
受験はゴールではなく、通過点です。親世代も経験したことのない社会を生きる子どもたちに必要な「生きる力」を育む学校選びと受験対策は、親子でワクワクしながら臨みたいですね。