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高校受験の併願とは?併願優遇制度や学校選びのポイントを解説!

2025.12.05 更新日: 2025年7月31日

高校受験では、一派的に「第一志望に落ちたときのために併願校も受けるべき」と言われます。しかし、実際にどの学校をどう選べばよいのか迷ってしまう方も多いはず。そこで本記事では、高校受験における併願の意味や私立高校の併願優遇制度、併願校を選ぶ際のポイントをまとめました。入試要項の確認ポイントやよくある質問も解説しているので、ぜひ参考にして併願校を選んでみてください。

高校受験における併願とは「第一志望校以外に出願すること」

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併願とは、第一志望校とは別に、ほかの高校を受験することをいいます。以前は「滑り止め」と呼ばれることもありましたが、現在では「併願」と呼ぶのが一般的です。

 

例えば、公立高校を第一志望として私立高校を併願校とするケースや、志望する私立高校のほかにも私立高校を受験するケースなど、併願のパターンはさまざま。

 

併願校に合格しても、第一志望の合否が出るまで入学手続きを保留にできる場合が多く、進路の選択肢を広げる上で重要な戦略です。

 

私立校の「併願優遇制度」は都道府県ごとに異なる

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併願優遇制度とは、私立高校が一定の基準(主に内申点)を満たした生徒に対し、合格の可能性が高まる制度です。学校によっては、実質的に合格を保証する場合もありますが、必ずしも全員が合格するとは限らないため注意が必要です。

 

詳細は都道府県によって異なるため、事前に自分のエリアの詳細を確認しましょう。

 

高校受験の併願校の決め方9選

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高校受験の併願校を決める際、何から手をつけてよいかわからない方も多いでしょう。ここからは、高校受験の併願校の決め方について解説します。

 

併願校を決める際には、以下の9つの視点を意識してみてください。

 

1. 合格できるレベルかどうか
2. 行きたい学科やコースがあるか
3. 進学や就職の実績はどうか
4. 教育方針が合っているかどうか
5. 施設や設備が充実しているか
6. 学校の雰囲気がよいかどうか
7. 問題なく通学できる場所にあるか
8. 入りたい部活動があるか
9. 3年間にどの程度の費用がかかるか

 

1. 合格できるレベルかどうか

併願校は、第一志望校よりも合格の可能性が高い学校を選ぶのが一般的です。自分の現在の成績や内申点、模試結果をもとに、合格可能性が高い学校をピックアップしましょう。

 

ただし、あまりにレベルが離れているとモチベーションを保ちづらくなることもあるため、「合格できるけれど、通うことになっても満足できる学校」という視点も重要です。

 

2. 行きたい学科やコースがあるか

併願先の場合も、自分が興味を持てる学科やコースがあることは大切です。たとえば普通科以外にも、特進コース、文理コース、商業、工業、国際、福祉など、さまざまな専門分野があります。

 

自分の得意分野や将来の進路を考えたうえで、学びたい内容が用意されているかを確認しましょう。志望校と同じ系統のカリキュラムを持つ学校であれば、進路の方向性を変える必要もありません。

 

3. 進学や就職の実績はどうか

高校を卒業したあとの進路についても、併願校を選ぶ上で欠かせないポイントです。たとえば、大学進学率が高い、指定校推薦枠が多い、専門学校との連携があるなど、自分の進路希望に合った実績があるかを調べておきましょう。

 

特に大学への指定校推薦は、入学後の成績次第でチャンスが広がる制度です。学校ごとの推薦枠を確認しておくのがよいでしょう。

 

4. 教育方針が合っているかどうか

各校のパンフレットやWebサイトには、教育理念や指導方針が掲載されています。「個性を伸ばす教育」「学力重視」「国際コミュニケーション能力の育成」など、学校ごとに方針はさまざまです。自分や家庭の方針と一致しているかを見極めましょう。自分に合った教育方針の学校なら、より充実した高校生活を送ることができるはずです。

 

5. 施設や設備が充実しているか

併願校選びにおいて、図書館、IT教室、実験施設、体育館、グラウンド、食堂など、学校の設備も比較のポイントです。とくに専門分野に力を入れている学校では、専門設備の有無は学習環境にも影響します。

 

設備の充実度は、学校説明会やオープンキャンパスなどで実際に見るのがおすすめ。通うことになったときの生活をイメージしやすくなります。

 

6. 学校の雰囲気がよいかどうか

併願校を選ぶ際は、学校全体の雰囲気や人間関係もチェックしましょう。先生と生徒の距離感、生徒同士の関係、校内の清潔感などは、説明会や見学会で肌感覚でつかめます。また、在校生や卒業生の口コミをチェックするのもおすすめです。

 

7. 問題なく通学できる場所にあるか

併願校選びにおいて、問題なく通学できる場所にあるかも重要です。通学時間は毎日の生活リズムに影響を与えるので、なるべく短時間で通える範囲が望ましいでしょう。電車の混雑具合や乗り換えの有無、通学定期代なども考慮して、無理のない通学が可能かを確認します。

 

8. 入りたい部活動があるか

併願校を選ぶ際に、自分が続けたい部活があるか、設備や活動実績はどうか、初心者でも参加しやすい雰囲気かなどを事前に調べておくと、入学後のギャップが少なくすみます。

 

9. 3年間にどの程度の費用がかかるか

高校生活では、授業料だけでなく、制服代、教材費、修学旅行積立金、部活費用など、通学にはさまざまな費用がかかります。トータルでいくらかかるのかを確認しておきましょう。

 

併願校を決定する際は入試要項をチェックしよう

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併願校を最終的に決定する際には、入試要項をしっかり確認することが大切です。学校によって入試の仕組みや手続きの流れは異なるため、思わぬミスを防ぐためにも細かくチェックしておきましょう。以下は、特に確認が必要なポイントです。

・入試のスケジュール
・選抜方式
・入学金納入のスケジュール

 

入試のスケジュール

私立高校と公立高校では入試日程は異なるのが一般的です。ただし地域によっては一部日程が近かったり、私立高校同士で入試日程が重なったりすることもあります。第一志望校と併願校の受験日が被っていないか、しっかり確認しておきましょう。

 

また、推薦入試や一般入試など、複数の試験区分がある場合も、それぞれの出願期間や試験日をしっかりと把握する必要があります。

 

選抜方式

一般的な筆記試験だけでなく、面接、小論文の提出など、学校ごとに入試の選抜方法は異なります。そのため、選考基準をきちんと理解しておくことが重要です。自分に合った選抜方法かどうかを確認しましょう。

 

入学金納入のスケジュール

入試要項をチェックする際は、入学金の納入のスケジュールも細かく確認しておきましょう。

 

例えば私立高校の併願の場合、合格後に入学金の納入を求められるケースが一般的です。ただし、高校によっては公立高校の合格発表後まで納入金を待ってくれる「延納制度」を採用しているところもあります。

 

納入金の延納や返還制度の有無、納入期限など、親子で必要な情報を確認し、手続きの流れをしっかり共有しておきましょう。

 

高校入試の併願におけるよくある質問

Q. 併願で公立に受かったらどうなる?

公立に受かった場合、併願で合格していた私立高校の入学手続きは不要です。手続きをしなければ自動的に無効となり、公立に進学することができます。

 

Q. 併願できる高校の数は何校まで?

併願できる高校の数に制限はありませんが、出願や受験にかかる費用や日程の調整、学校ごとの入試対策を考えると、あまり多く受験すると負担が大きくなってしまいます。

 

受験する際の体力や家計の負担、スケジュールの兼ね合いなどを総合的に考えたうえで、無理のない範囲に絞りましょう。

 

Q. 併願で公立を受けない選択肢はあり?

併願で公立を受けない選択肢を取ることも可能です。たとえば私立を第一志望として、別の私立を併願するケースなどがあります。

 

高校受験の併願校は戦略を立てて選ぶのが成功へのカギ!

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本記事では、高校受験における併願の基本的な考え方や、私立校の併願優遇制度、併願校を選ぶ際に押さえたいポイントを紹介しました。併願校は万が一の備えだけでなく、自分に合った進路を広げるチャンスでもあります。しっかりと情報を集め、納得のいく受験プランを立てましょう!